高雄中都溼地公園遊客中心

国鉄高雄駅の近く、高雄市の中央を流れる愛河のすぐ近くに11.6haという巨大な湿地がある。しかしこれまで長期にわたって何の整備もされていなかったため、ゴミ捨て場となっていた。高雄市の陳菊市長は、この湿地を整備して、巨大な都市公園とすることとし、台湾のランドスケープ会社中冶環境がプロジェクトの設計を担うこととなりました。

設計内容としては、公園の中に散歩道や吊り橋のほか、ビジターセンター等を設けることとなり、この建築設計を日本の竹中アシュ氏に、構造設計が冨田構造設計に委託されました。
設計当初から「生き物のような」「自然の材料を用いる」というコンセプトがあったため、集成材を用いて、各断面が徐々に変化していくような形状を提案しました。最初は水鳥が羽ばたくような意匠を目指したのですが、最終的な形状は「エビ」のようになりました。しかし、それもまた可愛いという評価を受けています。
下部構造はRCとし、上部構造には唐松の集成材を用いました。集成材材料は日本の銘建工業の集成材を使用しています。


 

 

 




公園の中央には集成材の湾曲材を用いたパーゴラを設計しました。
部材だけでなく、平面的にもS字にうねるようにすることで、屋根面が3次元にうねらせています。こうすることで屋根にシェル効果が発揮され、大部分の部材が片側にしか着地していないにもかかわらず、安定した構造物とすることが可能となっています。




高雄中都濕地公園遊客中心
Wetland Park  visitor center, Zhong-du Kaohsiung
結構:集成材結構+RC結構
業主:高雄市政府
建築設計:竹中ASH(日本)+郭中端
完工:20114


Link: 竹中設計事務所ASH