武荖坑風景區展館









 敷地である武荖坑風景區では、毎年4月から6月にかけて「緑色博覧会(グリーンエキスポ)」が開催される。この博覧会期間には展示館として、それ以外の期間では半外部の休憩所として使用する施設が建築家から提案された。平面形状は長手36.8m短手21.5mの楕円形を卵形に変形させた形をしており、高さは8.7m、柱の中心間距離は11m19.5mである。
 当初から、自然公園の地面から植物が生えたような構造を要求されたため、一カ所の柱を何本もの部材で組み合わせて作る「組み柱」の提案を行った。組み柱は部材が増えるほど合理的で細い部材となるが、あまりに合理的だと単調になる。そこで部材の数とサイズの組合せのスタディを繰り返して行い、最終の形状を決定した。最終的には左ネジ方向にねじる形で配置した190.7φのパイプと、その上下に右ネジ方向にねじる形で配置した139.8φのパイプの組合せでこの組み柱を構成させた。また、下部のリング直径を2m、上部では4mと異なった直径とすることで、外観をより有機的な形状とすることができただけでなく、水平変位をより小さくすることが出来た。なお、屋根は博覧会時の間仕切り配置の自由度を高めるために、平面トラスを格子状に配置している。


 



武荖坑風景區展館
 Wu-lao Keng scenic area Pavilion
結構:鋼結構
業主:宜蘭縣政府
建築設計:大藏聯合建築師事務所/甘銘源
完工:201112